原子ニュートリノ分光の研究部門
吉村元彦グループ
想定されるニュートリノ質量が原子のエネルギー準位間隔に近いことを利用して、「原子を用いたニュートリノ質量分光 SPAN (SPectroscpoy with Atomic Neutrino)」を推進している。 レーザーやマイクロ波、量子干渉技術等、原子物理の多彩な実験手法を駆使することにより、原子からのニュートリノを観測してニュートリノの未知パラメータを決定することを目指している。 最近の研究では、パラ水素分子標的の振動準位(v=1)に断熱ラマン過程により遷移させ、コヒーレントな2光子の対放射を観測したことより、「マクロコヒーレンス増幅機構」の根幹をなす部分の検証に成功した。
先端量子ビーム研究部門
SASAOグループ 吉村浩二グループ
原子核遷移としては極めて特異にエネルギーが低いトリウム229のアイソマー遷移の探求とその応用(超高精度原子核時計)、コヒーレントに励起されたイオンビームを磁場内で加速した際の特異な放射の研究、等の新基軸の基礎研究を、高輝度放射光施設(SPring-8, 高エネルギー加速器研究機構)、重イオン源施設(理化学研究所)、レーザー施設(岡山大学)において、最先端の光量子科学技術を融合・発展させることにより、国内外の共同研究者とともに推進している。
数理科学研究部門
谷口グループ
数学研究部門では、谷口雅春教授が反応拡散方程式における進行波の研究を、楠岡誠一郎教授が確率微分方程式の研究を行っています。 多くの大学院生がセミナーや講義に参加し、日々数学を学んでいます。 この絵は、軸方向に非対称なトラベリング・フロントのレベルセットを表している(T, SIAM J. Math. Anal. 2015)。 このトラベリング・フロントは、空間的に等方的な反応拡散方程式が、軸方向に非対称な伝搬をすることを示しています。 (図1:軸方向に非対称な走行フロント)
