異分野基礎科学研究所の仁科教授が「2024年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)」に採択!

2024年10月25日

 9月17日付で、本学異分野基礎科学研究所の仁科勇太教授が代表を務める研究課題「未利用有機物の“炭素化” 資源循環のためのマルチナリーカーボンの創出」が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「2024年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)」に採択されました。
 今回採択された研究領域は、「材料創製および循環プロセスの革新的融合基盤技術の創出とその学理構築」(研究総括:東北大学 岡部朋永教授)であり、同領域は環境問題と資源問題に対処するために、持続可能な材料創製と資源循環プロセスの融合を目指しています。この領域における仁科教授の研究は、未利用の有機物を活用し、さまざまな炭素化プロセスを通じて新素材「マルチナリーカーボン」を創出することを目的としています。
 仁科教授の研究チームは、低温炭素化、高温炭素化、触媒炭素化といった多様なアプローチを用いて、材料の高効率な炭素化を実現することを目指します。また、本学に加えて、産業技術総合研究所、東北大学、大阪大学との連携により、分子レベルでのメカニズム解析や、炭素の構造と機能を高精度に解析することで、マルチナリーカーボンの実用化に向けた研究を推進します。
 本研究は、2024年10月から5年半にわたって行われる予定で、資源循環型社会の実現に貢献するための基礎理論の構築とその国際発信が期待されています。

代表を務める仁科教授
本研究の全体像

<参考>
2024年度戦略的創造研究推進事業(CREST)新規採択課題

【本件に問い合わせ先】
異分野基礎科学研究所
教授 仁科勇太
TEL:086-251-8718


異分野基礎科学研究所の吉村教授が「2024年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)」に採択!

2024年10月22日

 9月17日付で、異分野基礎科学研究所の吉村浩司教授が代表を務める研究課題「原子核時計が切り拓く時空計測フロンティア」が国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「2024年度 戦略的創造研究推進事業(CREST)」の新規研究課題に採択されました。
 今回採択された研究領域は、「量子・古典の異分野融合による共創型フロンティアの開拓」(研究総括:井元信之・東京大学 特命教授室 特任教授)で、2023年度に設置されました。同研究領域は、量子コンピュータ・量子通信・量子センサー等の量子情報技術を単独または組み合わせて、ハードを造る・システム化する・ソルバーとして使う・ソフトを開発する・新しい使い方を開拓するにあたり、他の分野(素粒子・宇宙、物性物理、化学、材料工学、電気電子、情報処理、機械工学、計算科学、最適制御、AI、基礎数理など)の既存成果や考え方を積極的に取り入れたり、逆にこれらの分野に共創的に融合したりして分野の変化をもたらすことにより、新たな「量子フロンティア」の開拓を目指すものです。
 吉村教授の研究は、2024年10月から2030年3月の5年半にわたって行われ、レーザー励起が可能な唯一の原子核トリウム229を用いて、超高精度な「原子核時計」の実現を目指します。ここでは、固体原子核時計とイオントラップ原子核時計という2つの方式の原子核時計を、国内の幅広い分野の研究力を結集・融合することで開発し、その応用を目指します。
 同事業は、国が定める戦略目標の達成に向けて、課題達成型基礎研究を推進し、科学技術イノベーションを生み出す、革新的技術シーズを創出するためのチーム型研究です。今回の課題では理化学研究所、大阪大学とチームを組み、本事業の採択を起爆剤として、原子核時計という新しい量子計測技術を確立し、革新的な応用を創出します。

代表を務める吉村教授
トリウム229を用いた原子核時計の概念図

<参考>
2024年度戦略的創造研究推進事業(CREST)新規採択課題[PDF][New window]

【本件問い合わせ先】
異分野基礎科学研究所
教授 吉村 浩司
TEL:086-251-8499


異分野基礎科学研究所の高橋大地特別研究員が日本生物物理学会中国四国支部大会において、若手発表最優秀賞を受賞!

異分野基礎科学研究所 高橋大地特別研究員が第15回日本生物物理学会中国四国支部大会において、若手発表最優秀賞を受賞しました。
同賞は第15回日本生物物理学会中国四国支部大会の若手部門において最も優秀な発表をした1人に授与されるものです。この度、高橋特別研究員の、スピロプラズマの遊泳運動を駆動する細菌アクチンMreBに関する研究発表が評価され、同賞の受賞に至りました。
受賞を受けて高橋特別研究員は、「この度は栄誉ある賞をいただき大変光栄です。今後とも本会の発展に努めてまいりたいと思います。」とコメントしています。


異分野基礎科学研究所とイタリア・ナポリ大学が国際ワークショップ(Workshop on physics and electronics of 2D doped materials)を開催

岡山大学異分野基礎科学研究所とイタリア・ナポリ大学では、蓼科東急ホテルで国際ワークショップ(Workshop on physics and electronics of 2D doped materials)を開催します。

国際ワークショップ(Workshop on physics and electronics of 2D doped materials)

日本とイタリアの研究者を中心に、2次元層状物質を基礎とした物性物理学ならびにデバイス物理学の最先端の研究についての研究報告と議論を行います。


異分野基礎科学研究所の仁科教授が文部科学大臣表彰を受賞!

2024年04月18日

 科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を顕彰する文部科学省の「令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の受賞者が決まり、若手科学者賞に本学異分野基礎科学研究所の仁科勇太教授が選ばれました。4月17日、文部科学省(東京都千代田区)で表彰式が行われました。
 仁科教授は「黒鉛の二次元材料化および機能開拓に関する研究」の業績が評価され受賞。黒鉛から得られる二次元炭素材料は、化学・物理・生物・医学など、幅広い分野において研究が行われています。しかしその合成においては、構造や物性の再現性が極めて低く量産化が困難という問題がありました。仁科教授は、この問題を解決するために、放射光施設等を利用する新たな分析手法を検討し、黒鉛から二次元材料を作製するメカニズムを解明し、再現性良くキログラムスケールでの製造を実証しました。また、二次元炭素材料の新機能を創出するために、化学修飾による新素材開発を行い、バイオマテリアル、電極材料、吸着材、触媒などへの応用を達成しました。
 今回の受賞を受け仁科教授は、「受賞対象となった研究は、私が研究者として独立してから新たに開始したものです。国内外・産学界の多くの方と議論し、築き上げてきた成果がこのような形で認められたことは、大変嬉しく思います。自分の研究にさらに磨きをかけるとともに、これまでの経験をより若い世代の研究者と共有し、岡山大学の研究者が世界のトップクラスに肩を並べられるよう切磋琢磨していきたいと思います」と喜びと今後の抱負を述べました。
 本学は、2023年12月に文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)に採択され、研究力強化に向けた取り組みを進めています。仁科教授をはじめとする優れた若手研究者への支援を加速し、最先端の研究成果をより迅速・効果的に社会に届けられるよう積極的に推進していきます。

【本件問い合わせ先】
異分野基礎科学研究所
教授 仁科勇太
TEL:086-251-8718
研究室HP

表彰状を手にする仁科教授
会場での記念写真