2024年04月18日
科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者を顕彰する文部科学省の「令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」の受賞者が決まり、若手科学者賞に本学異分野基礎科学研究所の仁科勇太教授が選ばれました。4月17日、文部科学省(東京都千代田区)で表彰式が行われました。
仁科教授は「黒鉛の二次元材料化および機能開拓に関する研究」の業績が評価され受賞。黒鉛から得られる二次元炭素材料は、化学・物理・生物・医学など、幅広い分野において研究が行われています。しかしその合成においては、構造や物性の再現性が極めて低く量産化が困難という問題がありました。仁科教授は、この問題を解決するために、放射光施設等を利用する新たな分析手法を検討し、黒鉛から二次元材料を作製するメカニズムを解明し、再現性良くキログラムスケールでの製造を実証しました。また、二次元炭素材料の新機能を創出するために、化学修飾による新素材開発を行い、バイオマテリアル、電極材料、吸着材、触媒などへの応用を達成しました。
今回の受賞を受け仁科教授は、「受賞対象となった研究は、私が研究者として独立してから新たに開始したものです。国内外・産学界の多くの方と議論し、築き上げてきた成果がこのような形で認められたことは、大変嬉しく思います。自分の研究にさらに磨きをかけるとともに、これまでの経験をより若い世代の研究者と共有し、岡山大学の研究者が世界のトップクラスに肩を並べられるよう切磋琢磨していきたいと思います」と喜びと今後の抱負を述べました。
本学は、2023年12月に文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」(実施主体:日本学術振興会)に採択され、研究力強化に向けた取り組みを進めています。仁科教授をはじめとする優れた若手研究者への支援を加速し、最先端の研究成果をより迅速・効果的に社会に届けられるよう積極的に推進していきます。
【本件問い合わせ先】
異分野基礎科学研究所
教授 仁科勇太
TEL:086-251-8718
研究室HP