生物科学講座(異分野基礎科学研究所)の菅 倫寛助教が、「光合成における光化学反応の構造基盤の研究」で、平成28年度の科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。
文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的として行われるものです。そのうちの若手科学者賞は、高度な研究開発能力を有する若手研究者(40歳未満)を対象としたもので、受賞者にはその功績を称える賞状と記念品が贈呈されます。
菅助教は共同研究者と協力して、光合成において水分解反応を司っている光化学系II複合体の放射線損傷を受けていない精密な構造を、X線自由電子レーザー施設を用いて決定し、水分解反応機構の解明に大きく貢献しました。また植物の光化学系Iと光捕集アンテナIの巨大な超複合体の構造を正確に決定して、光捕集およびエネルギー伝達の経路における構造基盤を明らかにしました。これらの研究成果は、光合成において光エネルギーを高効率で化学エネルギーに変換する仕組みを明らかにしただけでなく、人工光合成を可能とする触媒や高効率に光エネルギーを変換するデバイスの設計のためのモデルにもなり得ると期待されます。
なお、授賞式の様子や菅助教のコメント、および研究概要の詳細については岡山大学の下記ホームページをご覧下さい。
ホーム > トピックス > 生物科学講座 菅助教が平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞(2016.4.20)