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巨大な集光アンテナをもつ光化学系Iの立体構造を解明~太陽光エネルギーの高効率利用に前進~

 岡山大学異分野基礎科学研究所の高橋裕一郎教授、菅倫寛准教授、小澤真一郎特任助教と大阪大学蛋白質研究所の宮崎直幸助教(現:筑波大学)らの共同研究グループは、光合成において、光エネルギーを効率的に吸収し二酸化炭素を糖に変換するために必要な還元力を作り出す、緑藻の光化学系I―集光アンテナタンパク質超複合体の立体構造を、クライオ電子顕微鏡を用いて原子レベルの解像度で決定することに成功。光合成において太陽光エネルギーを効率よく利用するために必要となる、集光色素とタンパク質の詳細な立体配置を明らかにしました。本研究成果はResearch Articleとして6月10日(英国時間)、英国の科学雑誌「Nature Plants」に掲載されました。

 光化学系I―集光アンテナタンパク質超複合体は、太陽光のエネルギーを極めて高い効率で吸収・利用しています。本研究成果は、弱い光でも効率的に光合成をする緑藻が光を巧みに利用する仕組みを明らかにしただけでなく、人工光合成実現のために必須な高効率の太陽光エネルギー利用技術を開発するための重要な知見を与えると期待されます。

◆発表のポイント

  • 緑藻は巨大な集光アンテナタンパク質複合体を持ち、太陽の光エネルギーを効率的に利用することが知られていましたが、その詳細な構造は不明でした
  • 緑藻の光化学系I-集光アンテナタンパク質超複合体の立体構造を、クライオ電子顕微鏡を用いて決定しました。
  • 本研究成果は、光合成が高い効率で光エネルギーを利用する仕組みの解明や、人工光合成実用化に不可欠な光エネルギーを効率的に利用する技術の開発に重要な知見を与えると期待されます。
緑藻の光化学系I-集光アンテナタンパク質超複合体の全体構造。(a)タンパク質と集光色素の両方を表示したもの。中心の灰色部分が光化学系Iで周囲の色のついた10個のタンパク質が集光アンテナタンパク質複合体。(b)集光色素のみを表示したもの。緑色と黄色はクロロフィルa、桃色はクロロフィルb、青色と赤色の棒状のものはカロテノイドと呼ばれる集光色素。タンパク質複合体の中には300個にもおよぶ集光色素が適切に配置されていることが明らかになった。

<お問い合わせ>
岡山大学 異分野基礎科学研究所
准教授 菅 倫寛 (すが みちひろ)
(電話番号)086-251-7877
(FAX) 086-251-8502

教授 高橋 裕一郎(たかはし ゆういちろう)
(電話番号)086-251-7861
(FAX) 086-251-7876

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